近藤光彦写真展「SCRAPPED CARS」

銀座ニコンサロン（ニコンプラザ内）

終了しました

アーティスト

近藤光彦

作者は北海道から沖縄まで、国内各地の放置自動車（廃車）を対象に、大判カメラ（８×10）を用いて定点観測を続けている。放置自動車を数年にわたって観察していると、それを中心とした特殊なサイトが自然発生的に形成されていくことがわかる。雨や風といった自然現象による腐食にはじまり、使えそうな部品を盗みにくる者、廃車の周辺にゴミを捨てにくる者、廃車に対して破壊行為をおこなう者、更には清掃をする者まで現れる。ゆっくりと変化を続けていくサイトに対し、作者は物理的な干渉を一切おこなわず、スペクテーター（観察者）の立場で何年も見守り続ける。一般的な美の観念とはおよそ対極にある違法に放置された自動車や不法投棄物をめぐる人間の活動のなかに美の種子を見つけ、それが開花する瞬間に立ち会おうとしている。それは、我々の遠い祖先が無明の世界のなかで初めて美という概念を獲得した瞬間を追体験しているかのようである。なお本展では、1200×1000mmサイズの大判カラープリント24点を展示する

スケジュール

2004年11月15日(月)〜2004年11月27日(土)