長谷川ちか子 「GIFT-白粉」

ラディウムーレントゲンヴェルケ

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長谷川は、2000年から、「ギフト」シリーズと称して、古今東西の毒にまつわるテーマをモチーフとした作品を制作してきました。「ギフト(GIFT)」は、英語では「贈り物」ですが、ドイツ語では「毒」を意味するというパラドックスを含んだ言葉です。美しいものにはとげがあるとよく言われるように、長谷川は作品を通 して、毒を持つものの美しさと危険性の表裏の視覚化に挑みます。
今回の展示では、女性のお化粧に用いられた「白粉」をテーマとした作品を発表いたします。 古くから、多くの女性が「雪のように白い」肌に憧れ、皮膚を白くする白粉は、すでにエジプト時代に使用された記録があります。日本には神宮皇后の時代に中国から入ってきて、『しろきもの』と称されました。 ところが、白粉の原料は、人体に有毒な鉛粉と呼ばれた白色顔料の鉛白(えんぱく-炭酸鉛)でした。毒ゆえにシラミとり(駆虫剤)にも使われたほどです。
鉛粉の白粉は中世までは希少品でしたが、16世紀に鉛の薄板を酢で蒸すという簡便な製法が中国から伝わってから大衆化したと言われています。職業柄、日常的に白粉を身につけていた花魁(おいらん)や歌舞伎役者には鉛中毒が見られ、薄命の主要原因になりました。明治の文明開化とともに、白粉化粧も鉛の毒性が社会問題となったため鉛白粉は姿を消して行きました。
長谷川ちか子の「GIFT-白粉」のシリーズは、江戸時代の白粉による化粧を視覚的に伝えた浮世絵版画、錦絵に着目し、2004年から制作されています。
古書店で錦絵を購入、その上に、有毒な白粉の塗られている顔や手と行った部位 だけを覗けるような窓が切り出され、鉛毒をあらわす化学式がシルクスクリーンでプリントされたマットをかぶせて額装するという、貴重な錦絵そのものを作品に取り入れてしまう大胆な手法によって制作されています。
今回の展示では大小約10点を展示致します。 パネルに切り取られた穴から露出した不自然なほどに白い皮膚に、私達は、美への探究が孕む、時に恐ろしいまでの執念を垣間見るのです。

メディア

スケジュール

2005年11月02日 ~ 2005年12月03日

アーティスト

長谷川ちか子

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