府中市美術館アーティスト
司馬江漢、小田野直武、渡辺崋山、椿椿山、亜欧堂田善、佐竹曙山、鈴木其一、五百城文哉、伊藤若冲 他
典雅な花の絵は、古くから描かれてきました。ところが江戸時代後期には花の絵に大きな変化が現れました。それまで夢の世界のものであるかのように描かれていた花が、今まさに目の前で咲いているような生々しさを持ったのです。
その背景には、18世紀の前半に中国からもたらされた精密な花鳥画の画法や、ヨーロッパの写実画法の影響があります。また、日本の人々が、自然に対して知的な好奇心を抱くようになった時代でもありました。博物学が流行し、人々は動植物に科学的な観察眼を向け、画家たちも、手本にそって絵を描くのではなく、生きている花を改めて自分の目で見つめました。それは、花の生命体としての営みに触れる体験でもあったでしょう。
本展では、近年、本館の収蔵となった司馬江漢の花鳥画の大作《生花図》を、収蔵後初公開するとともに、小田野直武、渡辺崋山、椿椿山、伊藤若冲、鈴木其一らの、重要文化財を含む優品の数々によって、「前衛としての花の絵」の魅力に迫ります。また、本館収蔵の江戸時代の洋風画や風景画もあわせてご覧いただき、先端的なものの見方や技術が、花の絵に限らず、画家たちの創作性を刺激する様子を見渡してみたいと思います。
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