ツァイト・フォト・サロン「人はいつ時として同じからだのカタチを保つことは出来ない。生まれながらにして空気に晒され、時間に侵食され、変形、変容をよぎなくされる。生物学的に成長をとげると、その結果として老化もしくは老衰のプロセスがまっている。
変化することしか出来ないからだ。きのうと今日は同じようにみえても刻一刻とからだのカタチは変化し、歪み、縮み、肥満し、細る。表面を被う皮膚は外界から受ける無数の傷を正確に痕跡としてからだの一部に組込む。
傷跡を撮りすすめていくうちに、女の傷と男の傷に微妙なズレを感じた。傷を受ける事態には何ひとつ変わりはないのだけれど、からだに跡としてのこされ、生かされた傷は女と男では受けとめる意味がまったく異なる。どんな理由においてもからだに傷を持つことは"キズモノ"に他ならない女のからだ。
女の姿カタチとはなんだろう。からだの表面とはどういうものなのか、生きているかぎり変貌をくり返していくからだ。無傷でいた時代はあったのだろうか。美しいからだ、みにくいからだ。若いからだ。老いたからだ。女のからだの物語がはじまる。
"INNOCENCE"の新シリーズは"キズモノ"という恐ろしく無気味な言葉のアイロニーとして付けた。」石内都
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