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パウラ・モーダーゾーン=ベッカー:儚くも美しき祝祭

神奈川県立近代美術館 葉山
終了しました

アーティスト

パウラ・モーダーゾーン=ベッカー
パウラ・モーダーゾーン=ベッカー(1876-1907年)は、19世紀から20世紀に移ろうという時代に生きたドイツの女性画家です。ちょうど、パブロ・ピカソ(1881-1973年)が新しい世界へとその扉を押し開きつつある頃、そして、オーギュスト・ロダン(1840-1917年)が近代彫刻の巨匠として、遠く極東の日本でも熱烈な共感者を見出していた頃に同時代の空気を呼吸した画家です。
夭折のために、パウラ・モーダーゾーン=ベッカーは、あまり多くの人に知られることなく世を去りました。生前売ることのできた作品は、数点のみであったと言われています。そのうちの一点、本展に出品されている《乳飲み子と母の手》(1903年頃)は、画家の友人のひとり、詩人ライナー・マリア・リルケ(1875-1926年)が画家から直接購入しています。リルケは、パウラの死に衝撃を受け、没後一年目に追悼の長編詩「ある女友だちのための鎮魂歌」(1908年)をパリで執筆し、その思い出に捧げました。死後、徐々に画家の評価は、ドイツ国内で高まります。日記や書簡が出版されたことも、この画家の美術だけでない、文化一般への旺盛な好奇心と生き生きとした感受性を多くの人に印象づけたのです。パウラ・モーダーゾーン=ベッカーは、けっして病弱で、内向的な人ではありませんでした。むしろ、テニスをし、夏には、裸になって水浴びをし、体操をし、ギターを弾く、快活な人であったのです。しかし、リルケと出会ってすぐにお互いに深く共感し得たように、「死」について想いをひそめる沈思の人でもあったのです。1900年7月26日の日記には、自分の「死」を予感してつぎのように書いています。「私は、自分がそれほど長生きしないことを知っている。しかし、それは哀しむべきことであろうか。祝祭は長ければ、それだけ美しいものであろうか。私の人生は、ひとつの祝祭、儚くも、充実した祝祭なのだ。」今回の展覧会の副題は、引用した最後の部分の言葉を少し変えたものです。今回の展覧会を観ることで、この画家の短い生涯が、いかに充実したものであったかを多くの方々に感じてもらえるのではないでしょうか。

スケジュール

2006年1月7日(土)〜2006年3月26日(日)

開館情報

時間
9:3017:00
※最終入館は16:30まで
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館
展示替期間、年末年始は休館
入場料一般 1200円、20歳未満・学生 1050円、65歳以上 600円
展覧会URLhttp://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2005/paula060106/index.html
会場神奈川県立近代美術館 葉山
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/
住所〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1    
アクセスJR横須賀線逗子駅または京浜急行電鉄逗子・葉山駅より京浜急行バス20分「三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前」下車
電話番号046-875-2800
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