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江成常夫 「生と死の時」

銀座ニコンサロン(ニコンプラザ内)
終了しました

アーティスト

江成常夫
作者は今年、古希を迎えた。これまでの30年余り、「昭和の15年戦争」のもとでの生と死を見詰めることで、戦後日本人の精神性を問い続けてきた。右の腋の下に現われた腫物が悪性腫瘍であることを宣告されたのは、6年半前の2000年5月であった。切除手術だけでは済まず、放射線治療と化学療法を余儀なくされ、そのうち「鬱」というブラックホールにも似た異界へと追い込まれた。
作者はその時まで生と対峙する死を概念として分かっていても、実感として受け止めたことはなかったが、肉体にメスが入ってからは、彼岸は身近なものになった。そして庭先の季節の移ろいに目を向け、生ある証としてのポートレートを撮り始めるのは、手術から8ヵ月ほど経ってからであった。

作者は自分を写しとる意図ははっきりしていたが、庭先の花や見慣れた風景に目を遣ることに格別の所以はなかった。ただ、何かにレンズを向け、無心になることで病魔から逃れようとしていたことは確かである。手術の時から約3年半の記憶と肖像、曖昧模糊とした形象は、此岸と彼岸の間を彷徨していた『生と死の時』の隠喩とでも言えるのかもしれない。さらに言えば、死にかかわる禍事を体験することで会得した死生観と、写真表現者としての心のうちを写真に託している。

スケジュール

2007年1月4日(木)〜2007年1月16日(火)

開館情報

時間
10:3018:30
休館日
日曜日
最終日は15:00まで、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.nikon-image.com/jpn/activity/salon/exhibition/2007/01_ginza-1.htm
会場銀座ニコンサロン(ニコンプラザ内)
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/
住所〒104-0061 東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA 1F ニコンプラザ銀座内
アクセス東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅A3出口より徒歩3分
電話番号03-5537-1469
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