町田市立国際版画美術館美術系大学を中心とする教育機関は、美術界を支える大きな基盤として重要な役割を果たしてきました。版画を専門に指導する教室が大学に設置されるようになったのは1950年代のことです。
大学版画学会は、版による造形表現の研究と大学教育の発展を求めて発足し、その活動はすでに四半世紀以上におよびます。各大学は版画分野の大学院や専攻科を新設・増設して一層の拡充をはかり、学会の規模を充実させてきました。今年で31回目を迎える全国大学版画展ですが、町田市立国際版画美術館では1987年の開館以来、本展を毎年開催してきました。
本展は各大学関係者にとって年に一度の成果を問う重要かつ貴重な機会です。出品される学生たちの版画は、大学で修得した技術を発表するだけではなく、さらには版画や美術の概念そのものへの挑戦や社会へのメッセ−ジを含み、優れた表現をみせるものでもあります。初期に出品した学生たちの中には、現在、作家として多方面で活躍する人々もみられます。その意味で、本展は限りなき可能性を秘めた展覧会であり、版画の将来を計る催しといってよいでしょう。
本展は次代を担う若い人々の制作発表の場にとどまらず、社会・美術館・大学との一体化を図る新たな意義をも備えております。第18回展より設けられた「観客賞」、学生の小作品を販売し、利益の一部を福祉団体へ寄付する「チャリティー・コーナー」、そして「公開講座」など、さまざまなイベントはすっかり定着しています。版画を通じて、多くの方々に学生とのコミュニケーションを持っていただくことを願っています。
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