現代の版画-写真の活用とイメージの変容

東京国立近代美術館

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高度に情報化した社会に生きる私たちにとって、写真映像は特別なものではありません。それどころか、テレビ、ビデオ、インターネットなど、情報の伝達スピードが加速化し、情報量も増えていくなかで、今や写真映像は、わたしたちの生活に欠くことのできない存在となっています。
アートの世界でも、こうした社会を反映して、写真映像を取り入れた作品が増えてきました。今回ギャラリー4で開催する小企画展では、多様に展開するそうした作品の一端を、版画によって紹介いたします。
1960年代末から70年代、アメリカのポップ・アートの影響や、写真製版を容易にするシルクスクリーン(孔版)の品質向上を受けて、日本でも、写真を用いた版画の制作が盛んになりました。それまで「版画」といえば、木版画や銅版画のように版を「刻む」技法が主流で、手作業的な性格を強く帯びていました。しかしシルクスクリーンやリトグラフといった「写す」技法が盛んになると、技法の併用が促進され、また作家が工房やプリンターと協同作業することが活発化しました。そうして版画は大きく変わることになり、「版画とは何か?」という根本的な問いが発せられることになったのです。
写真映像を取り入れた版画は、再現性、即物性、客観性といった特性をそなえたクールな写真映像を持ち込みながらも、写真の選択、レイアウト、版の分解、版の重ね合わせなどの版画をつくるプロセスのなかで、独自の表現へと昇華しています。写真、版画、印刷の間を自由に行き来しながら、その重なりや隙間に生まれた作品。それは、「日常と非日常」「個と普遍」「現実と虚構」が錯綜する社会の中で感覚が鈍化してしまいがちなわたしたち現代人の視覚に、そしてわたしたちの意識に、揺さぶりをかけてくるでしょう。それはまた、「見ること」とは何かを考え直させてもくれるはずです。

池田良二《岬の分水嶺》1988年

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2006年03月11日 ~ 2006年05月21日

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