アート・&・リバー・バンク岡本正史の新作は、カラフルな絵本のような装丁の写真集で構成されるインスタレーションです。丁寧な装丁を施された世界各地のイメージは、旅先に対するセンチメンタルな感情を覚えさせます。けれども、カラフルで、子供向けの絵本のように過度に純粋を装ったデザインは、静に疑念を浮上させます。ひょっとすると岡本にとって、旅先のイメージは、好奇心にまかせて手にし、飽きたらすぐ放り出してしまう、幼子の玩具のようなものなのかもしれません。幼子をあやすような彼の手つきは、やがて見るものに微かな苛立ちさえ覚えさせることになります。一見すると平穏なインスタレーションのかげに潜む、自身に対する辛辣な分析。岡本が構成する保育施設にも似たインスタレーションのなかで、わたしたちは冷ややかなものに触れることになります。
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