大和由佳展「地表の鳥」

LIXIL ギャラリー1 & 2

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今回の大和さんの作品は会場のカーペットを利用したインスタレーションです。1歩会場に入ると、足元に十数羽の鳥が羽ばたき群れている、黒いシルエットが広がります。鳥の姿はカーペットを切り抜いたところに、貝粉や墨粉などを埋め込んでつくられています。それらの素材の質感から、日本的な古典文学や絵画のイメージの影法師や幻影が想起されます。天井と床を結ぶ数本の柱とその柱を囲む水を張ったうつわの揺らめきや鏡面効果によって、天地が逆転した世界に迷いこむような作品になります。
大和さんは26歳の若手作家ですが、これまでも会場を不思議な空間へと変容させるインスタレーションを度々行ってきました。「晴れ間に眠る」(2004年)は、1cmほどの白い樹脂粘土でつくったプルメリアの花のようなかたちを床に円形に数千個散らし、天井に放射状に張った針金から、矢印の矢の部分を円の中心に当てた作品です。ロマッチックな情景が、指し示される矢印によって象徴性や寓意性を帯びていく、力強い作品です。「ある渡しかたのために」(2003年)は、縁をギザギザ゙に切り取った雫形の透明ビニールが2列3メートルの長さに渡って、天井から床を擦るように下げられています。透明ボンドでつくられた雫のリアルなディテールもあって、厳寒の冬、池や海が凍り、氷柱から溶けた水がポタリ、ポタリと滴っているような透明な世界へと観る者を誘うかのようでした。
大和さんは、作品を水彩やエンピツによるドローイングでつくり始めます。イメージが膨らむに連れて、描かれた線や意味を持たなかったかたちが屹立するように存在感を放ってくると語ります。スケッチがにわかにバタバタと平面から浮き上がって紙の質感を捨て、新しい材質をまとい、空間いっぱいに広がっていく様が思い浮かぶようなドローイングで、大和さんの作品の成り立ちを垣間見ることが出来ます。今展ではそうしたドローイングも会場の外側の壁にて展覧する予定です。
大和さんは、ざっくりとした和紙やすべすべの石、濡れて乾いた痕跡など、時間と素材の変容をテーマに緊張にみちた表現を続けてきましたが、いつも空間全体には硬質ではりつめた香気が感じられます。

メディア

スケジュール

2006年02月01日 ~ 2006年02月25日

アーティスト

大和由佳

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