大槻英世「雲間」

LOOPHOLE

終了しました

アーティスト

大槻英世

空を見上げると、視界を遮る電信柱。それは、古い建物が壊された街に残るものであり、新しく家が建てられるまえに最初に設置されるものでもある。そこにあるのは、終わりと始まりが同居する、宙づりにされた時間。大槻の絵画は、空という平面を見上げているのか、地面という別の平面を見下ろしているのかわからなくなる浮遊感を抱かせる。反復する電線が描く水平線は、重力という絶対の垂直に抗うかのようだ。大槻の画面は、終わりと始まりの、水平と垂直の、絵画の内と外の境界に発生する緊迫へと、私たちをいざなう。それは、重力に従い床に置かれるのではなく、壁に掛けられる平面であるという、絵画そのものの孕む宿命に挑むことでもあるだろう。　

オープニングパーティ: 10月27日(土) 18:00〜

スケジュール

2007年10月27日(土)〜2007年11月24日(土)