パフォーマンス、音楽、インスタレーション、写真、ビデオ、そして繊細な工芸的な立体や衣装まで、イエイソン・バナルの無限的な手法で作り出される作品は、伝統と現代のコンセプト、象徴、そして観念の集合体です。ノルウェー、オスロのクンストハルで開催された「The Legend of the Sleepwalking Tricks」(2003)においては、2、3人の若い男性を雇い、ギャラリー内でデスメタルをヘッドフォンで聞きながら、効能な睡眠薬の入ったホットミルクをすするというパフォーマンスを行いました。パフォーマンスが進むにつれ、その男性たちはふらふらと眠気に襲われ、寝転びだし、ついに眠りにつくというものでした。その他の作品では、殺人鬼ホラー映画、キリスト教、セックス、そして政治的歴史に言及し、なおかつ思春期の興味と彼自身の妄想をも掛け合わせた、意識、民主性を超越するものもあります。バナルの作品には、彼いわく、「夢想的コンセプチュアリズム」、また、「トロピカル・ゴシック」といった、太陽の日のあたらない暗黒な部分への興味が根底としてあります。