「誕生100年　斎藤清　木版と作家とともに」展

神奈川県立近代美術館鎌倉

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アーティスト

斎藤清他

現代社会が失って久しい日本の心の風景を、墨画によっても描き出した木版画家の生誕 100年を記念して墨画を中心とした展覧会を開催いたします。雪に閉ざされた家々からもれる窓の光、文様のような残雪の向こうにほのかに浮かぶ夕日、まばゆいばかりの雪の白さによって表現された冬の会津の静寂。この画家の墨画には木版画とはまたひと味違った味わいがあります。力強い筆触と偶発的な墨の滲みによって、緊張感とやわらかさ、あるいは空間の奥行きや広がりが描き出されています。作品には日本の風情や素朴な温もりのようなものを誰もが感じ、一種のなつかしさや郷愁のようなものを見出すでしょう。しかしそれらは単なるセンチメンタルな世界に拘泥しておらず、鍛えあげられた骨太の厳しい画面構成により支えられているといえます。本展覧会では斎藤清の墨画を中心に木版画も併せて展覧し、当館が収蔵する同時代を生きた他の木版画家たちの作品も同展示室にて紹介いたします。写生と装飾の接点に立ちつつ、ひたむきな精進のなかに結実した画家の作品をどうぞご堪能ください。

【画像：「残雪」　1983年　紙本墨画着色】

スケジュール

2007年6月30日(土)〜2007年9月17日(月)