菅間圭子 「煙と乙女」

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「煙と乙女」は、従来インスタレーションを中心に発表している菅間圭子の絵画による個展で、3つのシリーズから成立している。

その1つは、戦禍により立ち昇る煙を描いた「Cloud, Smoke and Blast―The Great World ' Rule' way(雲、煙、粉塵―グレート・ワールド・ルール・ウェイ)」シリーズで、もちろんこのタイトルは、ターナーの名作「Rain, Steam and Speed―The Great Western Railway(雨、蒸気、スピード-グレート・ウェスタン鉄道)」(1844年ロンドン、ナショナル・ギャラリー蔵)に負っている。このシリーズからは、長崎のキノコ雲や9・11のニューヨーク、イラク戦争、ベイルートを攻撃するイスラエル軍の煙の作品など、油彩、ドローイングを交えて出品されている。そこには蒸気機関の発明によってもたらされた科学文明の負の側面が並んでいる。

次に、少女漫画をモチーフにした「乙女の瞳」シリーズ。エロチックな(というよりポルノまがいの)ブーシェの作品の模写や、社会主義リアリズム風に描かれた金正日を思わせる肖像画に少女漫画を描きこんだものなど。

いまひとつのシリーズ「The SPAM Beauties」は、日常的に送付されてくる迷惑メールに添付されている匿名的な少女たちの肖像だが、見知らぬ誰かと恣意的に結びついてしまうこの時代のコミュニケーションについての危うさ、もろさ、虚ろさに関する考察のひとつ。しかもそれらには不可避的に男性の欲望喚起装置が付随していることを思い起こさせる作品群だ。

そして特筆すべきことは、これらのシリーズがただ教条主義的に描かれているわけではないということ。菅間の絵画作品には上質な味わいがあり、この時代が内包する新たな「アウラ」を獲得することに成功している。

メディア

スケジュール

2007年11月05日 ~ 2007年11月17日

アーティスト

菅間圭子

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