「photogramma : deixis of index」展は、2002年より制作を継続している「量子詩」の展示から構成される。「量子詩」は、毎日新聞朝刊の天気予報の引用に基づき、潜勢態として表象される詩だ。本展タイトルの「photogramma」は、字義通り「光の文字」を意味し、「deixis」と「index」は、「直示」と「指標」を意味する。これらの言葉は、「量子詩」のリテラシーとして、そのマテリアルである新聞に関わるだろう。ヘーゲルが「近代人は朝の礼拝の代わりに新聞を読む」と述べたように、新しい出来事としての「News」を提示する新聞は、日々、世界を再編し、「いま・ここ・わたし」というdeixisの原点を提示する。そして新聞が使う言語は、写真と文字(photogramma)のアレンジメントによって構成される。本展は、「量子詩」という詩がマテリアルとして織り込む時間と意味の領野を、「News」の展示によってアンプリファイする試みであり、現代詩のアイデンティティを探る実験である。