「Project N 32 名知聡子」展

東京オペラシティ アートギャラリー

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このイベントは終了しました。

いうまでもなく、長い美術の歴史においてはさまざまな自画像が描かれてきました。三浦篤編『自画像の美術史』(東京大学出版会、2003年)は、自画像と称される画家の自己表象がいかに特殊で重要な問題をはらむジャンルであることを概説しています。自画像の形式的分類からすれば、名知聡子の自画像は自己省察という範疇に属するでしょう。もっとも、それは、ブログのような、たんなる日常生活の絵日記的な描写にとどまるものではありません。文学でたとえるならば、名知の絵画は私小説とか心境小説と呼ばれるものよりも、教養小説(ビルドゥングスロマン)と呼ばれるものにむしろ近いかもしれません。自分自身をみつめる眼差しという点ではカーロの絵と共通しますが、そのときどきの赤裸々な心情の吐露ではなく、彼女にとって重要なある異性をいわば時空的な座標軸にした、自己確(アイデンティティ)という性格を強く帯びているようです。いい換えれば、自己をいかに客観的に捉えるかではなく、自己をみつめる眼差しそのものをいかに客観化できるかが重要なのです。卑近な日常に題材をもとめる作家が多い現代において、自己の姿を真正面から描き出す名知聡子のような作家は、少なくとも日本においては稀有であり、貴重な存在といえるでしょう。

[画像: 展示風景]

メディア

スケジュール

2008年01月26日 ~ 2008年03月23日

アーティスト

名知聡子

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Reviews

bazzy: (2008-03-12 at 02:03)

もんのすごいながーーーーーーくて大きくて迫力がありました。

水族館で、でかい魚を間近でみたときの、チカラが吸われてく感じにも似てます。吸われるがままにみつめてしまいました。よかったです。

kouichi: (2008-03-15 at 21:03)

《天井の下》ぽーっと15分ぐらい眺めてました。
(BGMはショパン:幻想即興曲(即興曲第4番嬰ハ短調 作品66)
名知聡子さん素敵です。
松井えり菜「エビチリ大好き」 以来の衝撃でした。

DecemberChopin: (2008-03-20 at 12:03)

『天井の下』素晴らしいです。
1枚の絵が池田満寿夫の生涯を完全に吹き飛ばしちゃいました。
アートギャラリーも残酷なことをするなぁと感心しました。
案内の人が、名知聡子という名でなく「新人の作品です」と案内していたことを考えるとキュレーターの評価が低い方へ見込み違いしてるんじゃないかとも思いましたね。
名知聡子、今後に期待です。

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