ジェレミー・ディッキンソンは、子供の頃から蒐集しているミニカーのコレクションを主なモチーフとして描きます。バス、クラシックカーやスポーツカー、時には電車、キャラバンカーや梯子車に至るまで、あらゆる種類のヴィークル(乗り物)が、細密に描かれます。
1台1台に作家の思い出が詰まっているのはもちろんですが、誰しも目にしたことのあるミニカーが、あたかも子供がごっこ遊びをするようにそれぞれのシチュエーションで配置される様は、私たち鑑賞者自身の幼い頃の記憶をもかき立てずにはおれません。同時に、それぞれの車はその色や造形によって、冷静な画家の眼でチーム分けされ、幾通りものコンポジションを展開していきます。
小さな傷まで克明に描かれる乗り物は、キャンヴァスの大きさに関わらず、実は常に同じサイズで描かれており、私たちは絵の大きさによって、全く異なるスケール感を体験することになります。一方、緻密に描かれた主役達とは対照的に、背景はいつも一様に無地で塗られ、抽象的な無限の広がりのある空間を示唆しています。描かれた乗り物の色彩と連動し、それを照らし出す光となって私たち鑑賞者の想像力を掻き立てるのです。
本展では、07年から08年にかけて制作された新作、大ペインティング約10点と小ペインティング約10点を展示致します。様々なミニカーがスタッキングされたお馴染みのシリーズはもちろん、車がランドアートのようにサークルを作っている『International Bus Park』、色とりどりのブロックと車が地に見立てられた『Football League Wall Map of England and Wales』などの
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