マキイマサルファインアーツこれまで作家は構築された支持体に興味と欲望の対照をコラージュしていくと言う手法により、奔放なエネルギーを放出する作風を見せていたが、今回は一転、禁欲的とも見える構成的な平面を制作しはじめた。前者においてはナイーブとも言える欲望の積層であり原初的な制作の欲望を伴うものであるが、後者においては抑制的、構造的、理性的に組み立てられたものでありその制作態度は大きく異なる。興味深いのはバーコードともサインデザインとも取れそうなその図像に記号化された欲望と抑制がシンボルとして内包されている点で表現としてはこちらの方がより高度になっている。
作家は実業家でもある。ビジネスとアート、対極のように見えるが今日ではアーティストはマーケティングなどのベンチャー起業家に近い能力が要求されるのであり、一方のビジネスは混沌とした世界を生き抜くクリエイティビティと冷徹な計算が要求されるのであるから、実はこの2つは相似の様相を呈しているのである。であるならば、2つの顔を持ち先述の2方向の作風を獲得しはじめた作家は、複眼の視野を持って狭い視野角の旧来の作家の枠を越えて、既視感の壁を乗り越えてくる可能性を抱かせさえするのである。
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