ゼンシ三井孝明の作品には、タンクやマフラーといったバイクのパーツ類、又は特攻服、メリケンサックなど、 90 年代を不良少年少女達と青春を過ごした作家にとって馴染みの深いものがしばしば作品のモチーフとして用いられてきました。社会の一般常識に縛られることを拒み、何事にも尖がっていた青春時代。これまでの三井の作品には、そういった若き日々のギラギラしていた記憶が全面にあらわれていました。しかし、本展覧会で三井は、年を重ね、等身大の自分を受け入れる姿、つまり、尖った部分をもちつつ、どこかで自分の弱さや優しさを垣間見せます。例えば、木彫に合成漆を塗り、金箔を施した《プッダ》。この作品は、そのキュートなフォルムと、厳しくも悲しい笑顔によって見る者の心を癒します。そして、この作品の魅力は何よりも、誰でも知っているかわいいクマのキャラクターが、仏像に、しかも実際の仏像と同じ制作方法によって作られる可笑しさ、そのギャップにあると言えましょう。
「アートと自分を信じ、馬鹿馬鹿しい作品に命を賭ける。」そこには、何に媚びるわけでもなく、唯一自分がリアルに感じることのできるものだけを作り、浮世に訴えかける三井の姿勢を見て取ることができます。
本展は、三井の ZENSHI では初の個展となります。
オープニングパーティー: 1月31日18:00より
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