unseal contemporary初期から現在まで、加藤遼子の作品から私たちが受け取るのは、ますます生きづらくなりつつある世界の中で「それでも私たちは生きていく」という一貫したメッセージです。それは決して声高なものではなく、地声のようにすべての作品の底に静かに流れているものです。おしりから煙突を突き出した少女たちのキャラクターはさまざまな場面で執拗にこのメッセージを発し続けています。
近作のモティーフである北極や白熊は環境汚染の中で滅びゆくものであり、その限りで作品は「カナリヤの歌」と言っていいのですが、ともに描かれる少女たちのまなざしに私たちは、絶望的な思いと同時に、それでも生き抜いていこうとする彼女たちの決意を読み取ることができます。古語である「カカメ」(鏡または蛇の意)をタイトルとする今回の個展で、作家は「鏡のような眼で見た世界」を描きたいと言います。かねてから「毒であると同時に薬ともなる」水銀を神として祭ることに象徴される汎神論的で両義的な日本の土着文化に可能性を見てきた作家は、
今回の個展では「鏡」をモチーフに現代と古代をリミックスした、そして絶望と希望がリミックスした独自の世界を見せてくれると思います。二年ぶりの個展となる本展にどうかご期待ください。
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