poster for 辻けい 展

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辻けいさんは、1970年代より自ら染織した糸や布を用いてオーストラリアの砂漠やカナダの森、スコットランド島の水辺にてフィールドワーク・インスタレーションを行なってきました。 赤、黄、青、白のカラフルな糸や布が、辺境の壮大な自然をロケーションに流れるように、染み透るようにインスタレーションされる様は圧巻で、欧米のアースワークや自然派と呼ばれる作家たちとは一線を画したその繊細な雰囲気が、日本人の自然に畏怖の念を持つ独特の感性を反映するものとして、国内外から高い評価を受けて来ました。

辻 けいさんは、染織をアーティストの自己として捕らえ、大自然に添わせ、風や水によってねじれ、脱色、変容させながら、そこに存在するものとして確認することで、自己もまた自然界に存在するものであると考え、こうした制作を行なっています。

近年では染や織の色は「あか」になり、2001年岩手県立美術館では、内側をベンガラの「あか」一面に塗った迫力のある装置を展示し、2006年国際芸術センター青森での滞在制作は、市内を流れる荒川に赤い糸を流した幻想的なインスタレーションを行なっています。

辻 けいが「あか」への探求を行なうようになったのは、カイガラムシのつくる赤色にインスパイアされたことに始まります。「赤」とは自然の中では異色、異形を感じさせる色でありながら、アイヌ語の「あか」は「神仏に供える新しい水」の意で、人体を流れる血管をも赤い水の流れとしてなぞらえ、「あか」とは自然と人為をつなぐ地下水脈のようなものであるとイメージしてきました。

辻 けいさんが、導かれるようにかけがえのない自然の地を訪れ、交感したい場所に「あか」を置く時、辺りは急にいきいきと清らかに変貌し、圧倒されます。まるで精霊と交信しているようだと形容される由縁です。

今展では、2008年8月23日と24日、青森・八甲田山の融雪で湧く沼で行なわれた「あか」のインスタレーションから、会場の壁面32mにぐるりと写真を、会場の真ん中に、沼を模した大きな水盤2面を設置し映像作品を投影します。ひそやかに、地球のどこかの自然と交感して生まれた辻 けいのつくる「あか」の相貌は、未知の光景として鮮烈です。

アーティスト・トーク 2008年10月4日(土) 18:00~19:00

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スケジュール

2008年10月01日 ~ 2008年10月29日

アーティスト

辻けい

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