メグミオギタギャラリー上條花梨は1980年東京に生まれ、東京藝術大学で絵画を学び2006年修士課程美術研究科を修了しました。彼女の絵はスパッタリングという筆に付けた絵具を指で弾いて絵具の粒子を画面に飛ばして制作します。その粒子でデコボコになった画面をグラインダーで削り平にしてまた粒子で色を付け削り、と繰り返しながら筆の痕跡を残さない独特の方法で仕上げます。完成した作品は、古い写真や映像のような雰囲気に仕上がります。前回の個展では、人のいない公園の遊具を描いたParallel Worldシリーズの作品を発表し注目されました。自分たちが子供の頃にはなかった近代的な遊具が、彼女の絵の中ではとても懐かしい光景のような錯覚に陥りながら、不思議な違和感と本来かわいらしい遊具がとても不気味に思える白昼夢のように描き出されました。
その後Parallel Worldシリーズは、公園から不思議な静物画に変化し、古い写真と人形など身の回りや雑誌などから取ってきたイメージを再構成して描くようになりました。
今回の個展「There..., that station」では、9月より12月までフィンランドのアトリエ・スタンダーズでのレジデンスプログラムで制作した作品を中心とした新作を発表致します。フルーツの静物画、フィンランドの田舎町の風景の中におかれたおもちゃ達、赤い部屋の中の変な顔の女の子など、より不気味さと新鮮さを自然にブレンドした作品が登場致します。丁寧に仕上げられたクラシックな懐かしい雰囲気の中に、どこにもない光景を描いた上條花梨の作品に是非ご注目下さい。
[画像: 「fantasy in the red room」 (2008) oil on cotton & panel 65.2x53cm]
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