東京国立近代美術館工芸館近年の装飾に対する意識の高まりは、日常の生活の中でも強く感じられ、さまざまな現象として見ることができます。身近なところでは、デコレーションの短縮形である「デコ」という言葉とともに表されたデコ電や、ネイルアートなどがその代表的なものと言えるでしょう。この現象は、個性を表現する工芸制作の中においても見られ、大きなうねりとなりつつあります。ところがこうした動きは、実は、いまに始まったことではなく、いにしえの時代から受け継がれてきています。縄文時代中期の火焔土器に見られる器体を飾る激しい造形や、安土桃山時代の絢爛豪華な意匠、明治時代につくられた器物に動物や植物を張り付けた輸出工芸品などは、それこそ今日のデコ意識に通じる豊かな装飾表現として見て取ることができます。
本展では、「装飾」をひとつのキーワードとして、現代に生きる工芸家に受け継がれた日本人の美意識をあらためて感じ取りながら、21世紀における工芸制作と表現活動の可能性を探ります。
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