ギャラリー椿 / GT2今回の展覧会のタイトルは「whereabouts」所在、在り処という意味です。呉亜沙が描く世界では、ウサギは他者、少女は自分の投影として構成されています。今まで彼女は、自分は何者であるか、他者とどのように関係しているのかを描いてきました。
今回の展覧会は、昨年の府中市美術館での公開製作の体験と、家族旅行で行った富士樹海がリンクして、彼女の思考に深く影響を与え反映されています。いつもは一人きりの作業なのに、公開製作で見知らぬ大勢の人に囲まれて描くという非日常、普通ではありえないシチュエーションで描く行為は作家の成長をうながしたようです。
「都市にいても樹海にいるような孤独を味わったりすることがある。深く暗い森、人がいない樹海世界と大都市に多数の人が蠢く世界、都市にいても樹海にいるようなものなのかもしれない。」と感じた呉亜沙は、自分と他者の隔たりを容認できるようになったのでしょう。うさぎ(他者)と少女(自分)が葉っぱのくさりでつながれていたり、同じシチュエーション、同じポーズで別々に描かれていたりします。精神の成長が軸になり、ターニングポイントとなりそうな予感です。
都市と樹海の対比を借りながら、他者と自分とのコミュニケーションをさらに深く思考することによって描いた今回の展覧会、立体を含む新作28点が展示されます。
[画像: 「樹海」 (2009) oil on canvas 145.5x291cm]
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