GALLERY SPEAK FOR福津宣人氏は90年代半ばから、パターン・ペインティングとも言うべき独自の絵画様式で注目を集めてきました。絵筆とキャンバス、またはペンとタブレットによって丹念に塗られる、夥しく細かいパターン文様は、彼の手によって糸のように織り進められ、美しい変化を編みながら、私たちの網膜へ描写対象をしっかり送り届けてくれます。
描こうとする対象の「具体」と、パターンという「抽象」。その中間にある無限の広がりへと見る者を手招きするのが彼の絵画なのです。パターンの連射は描写対象との執拗で濃厚なダンスであり、だからこそ具体と抽象の間に横たわる本質を深く掬いとれるのでしょう。
その創作過程は長いプロセスを要します。描写対象を写真に撮ることから始まり、それをもとにして油画やパステル画を描き、残すべき線とミュートすべき線が吟味された後に、パターン絵画へと昇華されていきます。
そこで、パターン・ペインティングが生み出される「過程」に着目して福津宣人の世界を紹介しようとするのが本展です。今回はあえて、これまで未公開の、人気作品創作のプロセスにて描かれた油画、パステル画、鉛筆画、ペン画、習作類にフォーカスを当てて紹介。それらの作品としての美しさ、完成度の高さにぜひ触れていただきたいと思います。
創作に当たっては「透明感や、みずみずしい感触のことが常に念頭にある」と話す福津氏。その創作キーワードをストレートに冠する本展では、大小約30点の作品が、彼の創作のプロセスを通して守られている美意識や哲学を、興味深いリアリティをもって浮き彫りにしてくれるでしょう。
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