「No More Alternative」展

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オルタナティブAlternativeとは、「代わりとなる」「新しい」という意味で使用され、実験精神に富んだものを指して呼称いたしますが、新しいものというのは、そもそもどこから生まれるのでしょうか。eitoeikoは現代美術を視野に入れたギャラリーとして、古典芸術に対する考察を常に忘れません。時代を経て変遷する人類の美術の足跡は、常に過去の創造の肯定と否定を繰り返し、変化していったものと思います。美は進化することはなく、究極の価値観を持って存在し、その表象が時間という流れの中で変化し続けているのではないでしょうか。真に新しいものは、常に古いものから生まれてくるのです。軽薄な流行にオルタナティブという言葉を使うならば、そんな言葉は必要ありません。本当のオルタナティブを探して、eitoeikoは芸術の旅を続けていきます。

1965年東京生まれの白須純は、武蔵野美術大学を卒業後、ロンドンのスレード美術学校に学びます。版画を研究した白須はまた同じ技法を発展させたストーン・エッチングに出会い、東京メトロ日本橋駅には彼が制作に加わった壁画が展示されています。その共同作業の中で出会ったポルトガルの作家たちから、作家はまたポルトガルのタイル画に出会い、制作の幅を広げていきます。かの国の鉄道駅のひとつには、白須氏が全面を制作した巨大なタイル壁画があります。ストーン・エッチングは白須純がかつて慣れ親しんだ表現として記憶に埋もれていきましたが、2009年、化石の混じった大理石に天啓を受け、制作を再開します。作家の刻む描線はあるときは古代ペルシアの文様をモチーフに、あるときは絶滅してしまったいにしえの動物を描きます。そこには古代を刻むという行為から新しいものが生まれるというパラドックスがあります。

いらはらみつみ(伊良原満美。1972年東京生まれ)の漆に対する考察もまた、興味深いものがあります。立体作品「話題の種」は、新聞紙のテレビ欄という、ありふれた、しかしマスメディアが最も集約され、かつ瞬く間に消費されていく物質を、漆の力によって永遠に封じ込めるという魔法を施します。アジア圏で広く伝統的に使用される漆は、その扱いにおいて日本が特に優れています。物質に固着し強度を高め、保存していくという漆本来の能力に注目した作家は、時間を静止する、あるいは記録する媒体としての漆を効果的に用いています。これは古くも新しい、一種のメディア・アートではないでしょうか。また作家は情報消費社会に警鐘を鳴らすことなく、コミュニケーションの道具としてのマスメディアから「芽」が出ることを好意的に表わしています。東京藝術大学大学院美術研究科漆芸専攻を修了し、在学中には安宅賞、サロン・ド・プランタン賞を受賞、2005年には国際漆展銀賞を受賞しています。

好評を博した『明月記』展におけるアレックス・ボール(1985年英国生まれ)の作品も、年内の期間ではありますが、ふたたび展示いたします。浮世絵に影響を受けた精密な描写表現とともに、美術書のサイズに厳格に準じたユニークなスタイルにも注目ください。名画の掲載された美術書は当然のことながら縮小された図版ですが、作家はその大きさを実寸ととらえ、自身の作品を生み出しています。名画というのは書物の中に収められてもなお輝きを放ちますが、アレックスの作品は実寸でありながら縮小されたかのような、不思議なリアリティを醸しだすのです。セントラル・セントマーティン美術大学を卒業後、2008年にカトラン・アートプライズを受賞しています。

ボブ・シェイブ(1985年米国生まれ)の作品は、異文化との摩擦により生まれる創造、というものが人類の歴史であることを証明しているでしょう。eitoeikoが贈る、野心あふれる若き先鋭的な作家のひとりです。テンプル大学タイラー美術学校を卒業し、フィラデルフィアを拠点に制作、活動しています。

新年会2010年1月9日15:00から

[画像: 白須純「古代像」ストーンエッチング 13x13x1cm 2009年]

メディア

スケジュール

2009年12月23日 ~ 2010年01月30日

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Reviews

eitoeiko: (2010-01-11)

実りあるライフスタイルを提案する『住む。』にeitoeikoが紹介されています。
新年を迎え、吉田有紀の最新作「BIO」、ニッポリーニの銀塩プリントを展示いたしております。今年もよろしくお願いします。
1/31には、邦楽器の音色をいかした2大バンド、AEKAとLIPSのジョイントコンサートを行います。こちらもぜひお出でください。こちらは3時開場、入場2,000円となっております。

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