オスカー・トゥアゾンは1975年シアトル生まれ、2007年よりパリに在住しています。トゥアゾンの作品は、彫刻作品でありながら、展示される空間を建築的に変容させます。作品に使われる素材は建築資材や工業製品だけではなく、彼自身が自然の中や道路で拾ってきたものも含まれます。そうした特別でない素材を使って、日曜大工(Do It Yourself)の精神とも言える実践を通して、展示空間の中に建築への問いかけとして構造物を作り上げます。彼のインスタレーション作品は身体的であり、自立し、独立するものです。コンセプトからではなく、限られた空間的および物理的な諸条件をもとに、身体を使って作品を作り上げることは、トゥアゾンが建築現場から学んだことでもあり、現在も彼の作品制作において重要な要素です。スタジオを持たず、多くの場合に現場で作品制作を続ける彼は、今回もラットホールギャラリーの空間の特質を利用しつつ、全く異なる空間へと仕立て上げる立体作品を展示する予定です。