2007年より取り組み始めた絵画作品はPocket Book Seriesとして発表されています。日常生活で聞こえるような断片的な言葉を原自身が解釈、変換し、様々な要素の集合体としてフレーム分けされた画面に、絵と共に描き起こします。象徴的なモチーフの数々は作家にとって独自の辞書のようであり、それぞれに世界観を内包しています。これらのモチーフと並列して描かれる文字は、説明的ではなく、文字ひとつひとつが絵の構成要素として用いられています。また、平面の中に幾重にも連なって存在する奥行きが、小さな窓からそれぞれの世界を垣間見れるような雰囲気を醸し出します。