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村居正之 「―深化する視線―」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

村居正之
青い諧調の内に瞬く黄金の光を求めて
濃紺の夜空が、一瞬の炸裂音とともに金銀砂子の光の粒子に彩られ、群青へとその色合いを変える。青の世界に残照のように消え残る光の華をとどめ置いた作品「耀」。群青とは、不思議な色である。藍銅鉱(らんどうこう)という鉱石から取り出したその岩絵具は粒が微細になればなるほど薄く白(びゃく)に近づき、粗い粒なら色は濃い。そして、加熱することによってより深い青に変わる。この群青の諧調だけで表現された村居正之氏の世界は、花鳥風月に代表される日本画観を覆し、自由な広がりを見せる。新しい価値観を求め、今までにないことへの挑戦を続ける村居氏だが、池田遙邨に師事した氏が、今も心に刻む師の言葉は「人が通った山を登るな」だという。和光では7回目となる村居氏の作品展が和光ホールで開催される。青の墨絵と称されるその作品群について、氏は「一つの色の明暗によって世界観を表現することは水墨画に通じます」と説く。以前にはニューヨークの摩天楼、ギリシャの遺跡を描き、今回はモンサンミッシェルが出品される。そこに建物が在る風景に惹かれる氏は世界中を旅して、画題を求め続けてきた。そして氏の試みは日本、さらに自身が生まれ育った京都の町を、その地に暮らす者の視点から構築することへと進む。なぜか、と問えば「京都を描かないと自分が見つからないのです」と答える。五重塔や蛍といった日本の風景を題材に、大きな作品から小さなミニアチュールまでを描き分けてきた。今回はこれまでの総集編ともいえる約50点の作品が展観される。氏は朗らかに「次のステップへの挑戦です」と笑う。

7月の和光ホールが美しい群青で幻想的に染め上げられる。
◆会期中、会場にて村居正之氏による作品解説を予定しております。
 7月17日(土)・27日(火) 各日ともに14時~

[画像:村居正之「耀」 170×320cm]

スケジュール

2010年7月15日(木)〜2010年7月31日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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