ギャラリードゥポワソンこの度ギャラリー ドゥ ポワソンでは、ドイツのジュエリー作家 カール・フリッチの展覧会を開催いたします。
カール・フリッチ(1963年生)は、コンテンポラリージュエリーの世界でも際立ってユニークで革新的な作品で注目を集める存在です。1994年よりミュンヘンを拠点に制作活動を行い、世界各地の美術館で作品を発表しています。コンテンポラリージュエリー界で功績を残した アーティストに贈られる“フランソワーズ・ファン・デン・ボッシュ賞”(2006年)をはじめ数々の賞を受賞し、2010年にはミュンへンの現代美術館ピナコテーク・デア・モデルネのジュエリー展示室をキュレーションするなど、活躍はさらに多方面に広がっています。
カール・フリッチは、次々と湧き上がる創作への情熱と好奇心を「リング」という形で表現しています。彼の作るリングには、小さな彫刻のような凝縮された密度があります。しかし、着用できる形として作ることで、一方的な鑑賞性から解放され、作品と受け手との間に親密な関係を生み出しています。フリッチは、ワックスを手でこねて原型を作り、金や銀で鋳造する手法でリングを作りますが、その独特な、複雑でふぞろいなかたちと指紋が残る表面の質感が印象的です。 また、高価な素材とチープな素材を自在に組み合わせているのも特徴です。彼のジュエリーの中では、ダイヤモンドとガラスとが同じ価値を持っているのです。さらには、酸化させた金、大胆に穴を開けたクオーツや大理石、高く積み上げ接着した貴石・・・。通常、宝飾の世界ではタブーとされるあらゆる要素がフリッチのリングには見られます。これらの表現は、既存のジュエリーに対する批評として生まれます。しかし、単にエキセントリックであるのではなく、豊かな経験に裏打ちされ、力強い存在感とチャーミングな魅力をあわせ持つ造形となっています。その根底には、ジュエリーは誰かが身に着けて初めて完成するという考えがあり、時間の中で身につける人とともに変化し輝きを増していくことをゆっくりと楽しむ醍醐味がつまっています。ぜひご高覧ください。
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