蜷川実花 「noir」

小山登美夫ギャラリー

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蜷川実花の作品を前にするとき、わたしたちはまずその華やかな色に目を奪われます。そこに写っている花、人物、金魚などの対象は、こちらの感情、あるいは非現実的な世界をも喚起するような色彩を与えられています。深く濃い赤、目の覚めるようなブルー、甘美なピンクなど。これらの色は光をまとい、そこからは生命の豊かさや美しさというものを掴み、とどめようとする蜷川の一貫した試みをとらえることができます。またその光の裏には影、静かに滲み出る闇の存在があります。この影の存在は、これまでの蜷川の膨大な作品群にも散見することができます。表裏一体の光と影、そこには蜷川の写真を撮ることへの姿勢がよく表れています。自身の表現の全体像を提示すること。それに極めて自覚的に作品をまとめ、展示したのが、2008年から2010年にかけて5カ所の国内美術館等で開催された、「蜷川実花展-地上の花、天上の色-」でした。

この展覧会において最新作として発表されたシリーズ「noir(ノワール)」はその闇、また「裏蜷川実花」ともいえる世界を表現しています。「地上の花、天上の色」という言葉が表すような、圧倒的な色彩で知られる蜷川が提示する「noir(暗黒、黒)」は、色彩の深度を強めることによって浮かび上がらせた「極彩色の闇」です。眩しい生の世界と、深い死の世界。生死のバランスに介在する人の手が浮かび上がらせた歪な世界。生と死の極点に向けて、その領域を膨張させ深化させ続けた写真世界は、圧倒的で暴力的な生命力と、深く歪な極彩色の闇を感じさせます。

本展は、上記のシリーズ、「noir」だけで構成される初めての展覧会です。新シリーズですが、属する作品には以前から手がけていたものも含まれ、じっくりと制作されてきました。これまでの蜷川実花とは別の面、それでいて根源的な面ももつ作品を、是非ご高覧ください。

メディア

スケジュール

2010年11月27日 ~ 2010年12月25日

オープニングパーティー 2010年11月27日18:00 から 20:00 まで

アーティスト

蜷川実花

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