倉橋佳子「メタルビーズの世界展 ―輝きつづける美―」

セイコーハウス銀座ホール

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アーティスト

倉橋佳子

銀河を思わせる煌めきと精緻な手技に溜息が漏れる。数万粒におよぶ色とりどりの金属製ビーズと糸だけで構成されるメタルビーズバッグ。19世紀末から20世紀初頭にかけての数十年間、ヨーロッパの貴婦人たちに愛用されたパーティーバッグである。

1970年代初頭、パリに住んでいた倉橋佳子さんは偶然、街の骨董品店で一つのメタルビーズバッグと出合う。たちまちその美しさに魅了された倉橋さんは収集を開始。さらに帰国後、この幻のバッグを何としても自らの手で蘇らせたいという思いを強くしていった。そして、材料や織機を独自に開発するなど熱心に研究を進め、数年の後、ついに納得のいく作品を完成させたのである。

一つひとつ、丹誠を込めて手作りされる彼女のバッグは、多くのファースト・レディーたちに愛用されている。多彩な金属が織りなす光と色の妙、そして倉橋さんならではの繊細な感性が宿る作品は、思い出の地、フランスでも評価が高い。

和光では8年ぶり3回目の展覧会となる今回は、メタルビーズ復刻35周年にも当たる。パリ時代の貴重な収集品をはじめ、倉橋さんの足跡を一望できるほか、バラエティー豊かな作品約100点が集う。この機会に、ヨーロッパ社交界を席捲した絢爛たる輝きにふれてみてはいかがだろうか。

スケジュール

2010年4月15日(木)〜2010年4月25日(日)