TOTOギャラリー・間竹原義二氏は、日本の建築に伝統的に受け継がれてきた空間の成り立ちや作法を再解釈し、現代の建築空間に展開している数少ない建築家の一人です。木、石、土、コンクリート、スチールといったあらゆる素材を知悉し、それらを大胆な架構や緻密なディテールに活かしながら、内と外、室と室とが融合された巧みな空間を実現しています。30余年にわたる設計活動の中で手掛けた作品は、住宅を中心に150作に及びます。
竹原氏は、自身の設計思想を「無有(むう)」という言葉に収斂させ、「何も無いところから場の脈絡を紡ぎ出し、たくさんの人の手の痕跡によってカタチを有し、生き続ける」という、建築のあり様を追求しています。そのために、今でも図面を手で描くことで思考を深化させ、素材を吟味し、職人たちと新しい構法に挑み、彼らの最高の技術を引き出しています。
自身の建築の原点に還る作品として臨んだ自邸「101番目の家」では、コンクリートと木が絡み合う剥き出しの構造表現を実現し、最近作の「大川の家」では、80種類の不揃いの材木を巧みに使い分けることよって、木の持てる魅力を最大限に引き出しました。
日本建築の中にある「素」のままの構造美、素材美を、現代の職人の手仕事で実現すること——展覧会では、このような竹原氏の建築に対する姿勢を「素(そ)の建築」と題して紹介します。会場には400本の無垢の柱梁による架構空間が出現し、竹原氏の建築を体感できます。手描きの原図を多数展示するほか、氏の建築を全て撮り続けている絹巻 豊氏の写真、これまでの作品を総覧する100分の1スケールの模型を展示する予定です。
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