鷲尾倫夫 「望郷・エトセトラ」展
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新宿ニコンサロンにて
メディア: 写真
人の生きてきた時間の歴史は奥深い。人を傷つけ、自分にも重い傷みを背負いながら、時の流れに逆らいもせず、栄光時代を支えに静かに生きている人達。
刻み込まれた影の部分を光の中に晒し、失った大切なものをとり戻すかのように、望郷の念を織りまぜ、彼は柔らかな口調で語り始める。話が進むに従って、作者は想像もできない世界の渦に巻き込まれて聞き続けた。『クニ』に帰りたい。が、帰れない。ふるさとは遠いよ。といって言葉を結んだ。
後日、その彼にスーツ姿の写真を頼まれた。出来上がった数枚を持って訪ねた。ノックをしたが返事はない。ドアに手を掛け、引くと開いた。すると煙が立ち揺らぎ、一気に流れでてきた。彼は正座していた。灰皿に二本のタバコを立て、背を丸め、手を合わせていた。作者に気付くと、作者の顔をじっと見て、つまった声でオフクロが死んだといった。いつと聞くと先月。兄貴は知らせてくれなかった。と震え声でいった。その目に涙がたまっていた。作者は何も云えず、万年床に写真を置いて立ち去るしかなかった。それから数日して彼は突然、誰にも看取られず三畳の部屋で死んでいたと、彼らのふるさとを歩いている旅先に知らせがあった。モノクロ46点。
スケジュール
2010年08月31日 ~ 2010年09月13日
アーティスト
MyTAB コミュニティー
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