市橋織江 「Gift」

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市橋織江、1978年生まれ。武蔵野美術大学を経て2001年に独立。現在、広告・雑誌・CM等で活躍し、昨年公開された映画「ホノカアボーイ」のムービーカメラマンに抜擢されて話題を呼んだ。同年、写真集「Gift」を出版し、ジャンルを超えた活躍で期待を集める若手写真作家。その10年の集大成として初の個展 “Gift”がここ広尾にやって来る。

「透明感のある写真」。デビュー当時から変わることがない彼女の写真スタイルは、さまざまなメディアを通してトレンドの中心に存在して来たようだ。“Gift”は一見、仕事の延長線に位置したピュアさを軸にしたと思えるが、実は、そこに流れるセンシティブな光と空気を閉じ込めた彼女のプライベートワークで生まれた心象風景である。 淡いトーンのスナップ写真は、ここ数年ポストモダンと云わんばかりにあふれかえり、逆にいわゆるパンチが効いた写真は影をひそめた。淡い色調に純粋さを重ねて賛美したりするあたりに、曖昧なロマンチシズムが顔をのぞかせる時代にある。しかし彼女のプライベート作品は、優しく美しい作品と片付けられず表面的な作品に留まらない。たしかに風景だが、その場所に立ち上がっているどうしようもなく止めてしまいたい現実を、市橋は抑制の利いた眼差しをもって切り撮っている。 旅先や日常の景色を撮った作品“Gift”は、その色彩の中に彼女自身のこころを映すもうひとつのフレームが重なり見え隠れする。一歩近づいてみると、その枠からは微細な振動を発し、ざらついたものを洗い落として観る側の心を休ませるだろう。時に音を感じることがあるかもしれない。作品に定着した色彩を「音」に置き換えてみると、それは幾つも音が重なった「倍音」のように奥行きのある音として聞こえてくるのである。

市橋の眼差し、それはこころ。 全部を写しながら、すべてを見せようとしない写真。それは市橋織江の真の才能だ。 『これだと思ったものには、1回シャッターを切って終わり。』と、作品撮りでは無駄をしない省エネタイプだと言って笑顔を見せる。きゃしゃで屈託のない印象の彼女に、全神経を集中させて瞬間をハンティングするタフな一面が見えてくる。 淡いパステルと構築的な構図は、そう易々と作品にのめり込ませる勢いを生むことはない。しかし、それでいてこれほど何かを気づかせてくれる写真に巡り会うことはめったにない。彼女からのギフトは、「観ること」から「感じること」の大切さをまさに届けてくれている。

メディア

スケジュール

2010年04月02日 ~ 2010年04月23日

アーティスト

市橋織江

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