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福田喜重 「―繍・箔・染―」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

福田喜重
5世紀に大陸から伝わった刺繍が、日本独自の発展を遂げ、宮廷の衣裳を飾ったのは平安時代のこと。以降、京の都を中心に、十数種類の基本技法をもとに伝統が継承されてきた。刺繍の重要無形文化財保持者(人間国宝)の福田喜重氏は、生地の選択から捺染、図案、摺箔、刺繍までを手がけ、表現世界を広げてきた刺繍の第一人者である。今回、和光では6年ぶり、3回目の個展を開催する。

刺繍司であった父・喜三郎氏の下、15歳で修業に入った福田氏は、10年はかかるといわれる技術を7、8年で習得。同じ姿勢で1日1万針以上を刺す生活により、指と上腕は発達し、鋼のようになった。氏はそれを「体得」と語る。「今でも刺繍をするのが身体に一番いいんです」。

福田氏が創作で最も大切にしているのは“色”だ。平安文化を偲ばせるはんなりとした生地のぼかしと余白に、金銀の箔文様を摺り、何万色の中から選びとった刺繍糸を意のまま緻密に刺していく。「色即是空というように、色はかたちを示す生き物です。だから色はいつかなくなります。僕は褪色した色を想定して手がけるんです」。

今回出品される「馨(かおり)」は、灰桜と山吹と薄茶の三段ぼかし染めに、金銀箔と平繍(ひらぬい)刺繍の梅紋をつなげて律動的な菱紋様を表現した優美な作品。このほか着物・帯・額装など、福田氏ならではの情趣と気韻にあふれた50余点が出品される。神秘的な絹の光沢、動くたびに際立つ繍の造形。この機会に繍・箔・染の美、着物の美を再発見されたい。

スケジュール

2010年2月25日(木)〜2010年3月13日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/214
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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