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武腰一憲 「西方見聞録」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

武腰一憲
郷愁誘うシルクロードの心象風景を九谷で表現

煌びやかな金彩の月と対をなすのは、あえて艶をなくした背景の青色、七宝焼の釉薬に独自の調合を加えた「サマルカンド・ブルー」。その上を呉須と和絵具の九谷焼の技法で描かれた老人と驢馬が、光沢を伴って静かに浮かび上がる。まるで聴こえないはずの〈静寂〉という音さえ聴こえてくるような光景だ。作品名は、色絵遠い日花器「遠来」。作者は、十数年この作風に取り組んでいる武腰一憲氏である。

武腰氏は、九谷焼中興の祖といわれる九谷庄三の義弟であり弟子であった善平氏を初代とする名門窯五代目に生まれた。家業を継いでいく中で、近代九谷の礎を築いた北出塔次郎氏に師事した父や、学生の頃からの恩師である十代大樋長左衛門氏から、多くの影響と薫陶を受けたと語る。自分なりの表現を模索している時、シルクロードの国ウズベキスタンの初代大使が同郷だった縁で同国を訪問する機会を得た。真っ青な空と青いモスク、青い民家の建具。その中で、日がな一日、のんびりと時間をつぶすのは、色鮮やかな民族衣装をまとった老人たち。「あの衣装を九谷焼特有の赤・青・紫・群青・黄の五彩で表現できるのではないか」。町の名前からとったサマルカンド・ブルーを使った「遠い日」シリーズはこうして生まれた。

和光で初の個展となる本展では、花器・香器・陶額・酒器・食器など約100点を出品する。「作品を通じて、欧米の文明とは全く違う時間の流れと空間を共有していただけたら」と全身全霊で臨む。

◆会期中、会場にて武腰一憲氏によるギャラリートークを予定しております。
 5月14日(土) 14:00~

[画像: 色絵遠い日花器「遠来」 13×71×高さ24cm]

スケジュール

2011年5月11日(水)〜2011年5月17日(火)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/264
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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