南条嘉毅「際景 -伊勢詣 2-」

ユカリアート

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南条は「実際に自分の体で感じた物事を信じ、 地に足のついた姿勢でのぞむ。」ことを大事にしており「土」そのものを素材としてフィールドワークを基にした風景画を制作しています。日本美術史のなかで風俗を含む風景画が一番盛んだった江戸後期の美術と江戸人の大衆宗教の歴史に強い興味を持ち「現代の日本の風景の中にその原風景となる要素が存在しているのか、実際に自分の目で確かめ共鳴すること」を目指しています。そこでこれまでに「富士登山」(富士講)、「甲州道中」(江戸五街道)、「東京湾」(江戸前文化)、「熊野古道」(自然崇拝)、「伊勢詣」(神道と江戸の旅文化)など日本人の旅や移動から生まれた宗教観や風俗、風景観に沿った題材をテーマに制作を続けてきました。作家は「日本の美術において、『風景画を描く』という事は必然的に歩く行為から生まれてきたと言えると思います。そこで実際に題材となる現地に赴き、自身の足で歩き、町や山々の景色を観察、分類しています。」と言います。

また南条は「画面を情報で埋め強制的に物語のように見せるのではなく、鑑賞者にイメージがぎりぎり届くかどうかの少ない情報量の中から知覚を醒ますような緊張感のある風景画」を模索しています。その言葉のとおり彼の作品は一見非常にシンプルに見えますが、実際の制作方法はそのビジュアルからは想像がつかないほど複雑かつオリジナリティに溢れています。まず作家は歩きながら作品を描く対象となる風景を選び写真を撮り、その場所の気配を色濃く含む土を採集します。さらに写真に写った画像を手描きでドローイングしたり、パソコンを使って風景が要素になるまで繰り返し分解していきます。また、土はふるいにかけ顔料と同じ粒子にまで分類します。そういった過程を経て得られた画像をデジタル出力したものを元に、何層にも白く塗られた綿布の上にまるで絵の具のように土をのせたり、アクリル絵具で描くというアナログな作業を重ねていきます。「こうすることで画面の中に現地以上の風景が、または全く別の風景が映り込んできます。そのとき、いく層にもきめ細かに塗り込んだ白い背景は、無限の色をもった空間にかわります。土と絵具の素材感、またデジタルとアナログの作業を重ねる事で画面に相反した空間がうまれます。」

今展は日本橋から伊勢神宮へと向かう「伊勢詣」シリーズの第2弾にして完結編です。2009年末から2010年始めにかけて行われた第1弾「際景〜伊勢詣1〜」展では日本橋から東海道の真ん中の宿場町、袋井までを表現しました。第2弾となる今展では袋井から伊勢神宮までの景色が描かれます。新作約10点を展示予定です。

[画像:七里の渡し(下絵)2011 112×145.5cm ©Yoshitaka Nanjo]

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スケジュール

2011年05月14日 ~ 2011年05月28日

アーティスト

南条嘉毅

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