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青木清高 + 田中忍 + 辻聡彦 「有田からの新しい風」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

青木清高、田中忍、辻聡彦
およそ400年の歴史を誇る磁器のふるさと・有田を拠点に、日展などで華々しく活躍する40代・50代の実力派作家が和光で初めての三人展を開催する。

次代の有田焼を担う若きリーダーの一人・青木清高(きよたか)氏は、芸術院会員で文化勲章受章者・青木龍山(りゅうざん)氏の長男。中村清六氏の指導を受け、大学卒業後に家業に入り、黒の天目釉で知られる父上に対して、品格のある青磁の多彩な表現で独自の世界を確立してきた。作品の粉青磁「たゆたう海」は、厚く釉薬をかけた器体に、襞のようなレリーフ、口縁の生地の朱色が効いて、豊麗な存在感を放っている。

田中 忍(しのぶ)氏は、25歳で父の田中一晃(いっこう)氏に師事し、父上と同じく繊細な釉裏紅(ゆうりこう)の技法を操る。中国・元代に起源を発するこの技法は、揮発しやすい銅の絵の具に透明釉をのせて焼成するため、安定した美しい色を出すのが難しい。だが、氏の作品「木洩れ日の向こう」は、釉裏紅の紅桃色と釉裏藍の青緑色が日本画のような情趣を伴い、風物が幻想的に展開され、観る者を魅了する。

辻 聡彦(としひこ)氏は、当ホールでもたびたび個展を開催した辻 毅彦(たけひこ)氏の長男であり、アメリカ留学と人間国宝・井上萬二氏への師事を経て、父の下で作陶生活に入った。出品作「風そよぐ」は、白磁を基本に、土肌の質感を生かす線刻、フリーハンドの線描が瑞々しい。父上と同様に陶額を手がけ、土のめくれの面白さや色彩のグラデーションを用いて、故郷の棚田や海の景色、街並みなど、新味の風景表現に取り組んでいる。

会派を超えて一体感のある有田陶芸界。三氏の父上も互いに交流を持ち、切磋琢磨してきた同志である。

「有田という伝統があり、先人がいて、私たちがいる流れの中で、現在の新しい有田焼を知ってほしいと思います」。それぞれに偉大な父を持ちながら、自分なりの表現を追い求めてきた三者三様の表現──花器・鉢・酒器・香炉・陶額など約150点は、会場にどのような新風を吹き込むだろうか。

◆会期中、会場にて三氏によるギャラリートークを予定しております。11月26日(土) 14時~

[画像: 青木清高 「たゆたう海」 径42×高さ19.5cm ]

スケジュール

2011年11月23日(水)〜2011年11月30日(水)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/280
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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