ラフォーレミュージアム原宿アーティスト
ヤン・シュヴァンクマイエル、エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー
2007年夏、ラフォーレミュージアム原宿で開催された展覧会は、大きな反響を呼び、その波紋は、今日まで、持続的に拡大し続けています。まさに、時代は、シュヴァンクマイエルのものになりつつあるのです。しかし、果たして、私たちは、どれほどのものを、彼の作品から汲み取ることができているのでしょうか?作品とは、常に過去のものであり、それがはらんでいる潜在的な力を引き出すのは、作家とともにそれを受け取る者たちが、行うべきことなのです。今回、京都文化博物館とラフォーレミュージアム原宿で開催されるこの展覧会は、時代とともにあるシュヴァンクマイエル夫妻の作品を通じて、彼らの作品が、私たちに提起している事柄を、様々な文脈で受け取り、より豊かなものにしていく場であると考えています。
本展では、これまでの展覧会と同様、様々な素材を使ったオブジェ、絵画、版画、ドローイング、コラージュなど、200点以上をご紹介。いかにも、シュヴァンクマイエル夫妻らしい、多岐にわたる作品群の数々は、ほとんどが、日本初公開の作品です。副題にもある通り、映画に関連したものが一つの核になるのですが、これらの作品は、映画館と美術館の境界を、事実上取り払ってしまった作家の、真骨頂とも言うべき作品群です。
しかし、今回、特筆すべきは、これらに加えて、新たに日本のために制作したものが入っていることです。まずは、新装版の表紙のために描いた「アリス」が2点。そして、日本が、世界の美術史に大きな影響を与えた木版画。シュヴァンクマイエルが下絵を描き、茨城と京都の彫り師と摺り師が、江戸時代から伝わる伝統的な技法で制作した作品は、下絵が8点、その中から選ばれ制作された木版画が3点、加えて、木版画の制作過程を理解してもらうために、版木と順序摺りを展示します。日本の百鬼夜行絵巻を意識した妖怪と、彼が独自に生み出した妖怪からなる絵柄は、私たち日本人を魅了してやみません。さらに、現在制作中のラフカディオ・ハーンの「怪談」のための挿絵と、歴史的な事件と言ってもいいコラボレーションの産物、日本が世界に誇る世界的な写真家、細江英公が撮ったシュヴァンクマイエルのポートレートの展示も予定しています。
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