山本現代「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」は、空間の放射線を視覚化したインスタレーション作品です。ガイガー・アンテナを持つ数体のアトムスーツ人形が放射線をキャッチし、作品中央には空也上人像を模した等身大のヤノベケンジ人形が佇んでいます。人形は、1997年にチェルノブイリを訪れた際に着用した放射線感知服と同型の「アトムスーツ」を纏い、その口元からは6体のアトムスーツ人形が吐き出されています。
ヤノベの代表作である「アトムスーツ」は、放射性物質による人体表面の汚染と体内被爆から人体を防護するための必要最低限の機能を備えた特殊な全身スーツです。表面は付着物質をすぐに除染できるウォータープルーフ素材でできており、眼球、生殖器、臓器など重要器官部にガイガー・ミュラー・カウンターが装着されています。90年代、「終末世界」を生き残るために制作された“サヴァイバルマシーン”の重量化から脱却するために作られた身軽なこのスーツは、ヤノベを「妄想」の世界から旅立たせ、「現実」に立ち向かわせた重要な作品でもあります。また、この人形のモデルとなっている空也上人とは、平安中期に貴族だけのものとされていた仏事の慣習を破って民衆とともに生き、彼らの救済に努めた僧であり、ヤノベはアーティストとしての自分のあり方を上人に重ねあわせて考えました。
今展では、2001年に制作された「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」を中心に、関連作品数点を展示致します。
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