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前田純一 + 前田大作 「連綿たる木藝の美」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

前田純一、前田大作
江戸指物師の家に生を受けた三代目と四代目。父は前田純一氏、63歳。子は大作氏、35歳。親子としては初めての木工展が和光ホールで開催される。時の流れと、技の巧みと、感性の煌めきがここに合流した。木工芸という山道を先に登る父に、子が追いつき、今後は共に登り続けていく。

「工芸という仕事は人の行為を形にすることではないでしょうか」と純一氏は語る。人は、食べ、子を育て、祈る。そうした日々の営みこそが工芸の原点ではないかと考え、父と子は木に向き合う。だが、その木はなかなかに気難しい。割り、何年も寝かせ、さらには削ってみないとその性格を見せてくれない。大作氏は「木工は、素材が素材らしく生きるための手伝いをすることだと思います」と笑う。

昨年、前田家には新しい命が生まれた。純一氏の作品にもう一つテーマが加わる。「孫が使うもの」である。よい作品は新しい家族が新しい位置を得るために、なによりも必要なのだという。

両氏が働く工房には、小指の先ほどの大きさのものから大鉋(かんな)まで、数多くの鉋が並ぶ。細工や仕上げのそれぞれの工程に必要とされる鉋を用意すること、それは指物という技法における日本固有の方法論である。純一氏は「命ある木を刻ませていただいているのだから、木に痛い思いをさせてはいけません。だから、細工にも仕上げにもそれに応じた道具を使うのです」と言う。

「私たちの仕事は容れ物を作ることです」と口を揃える両氏。魂を納めるための厨子、食器を容れるための厨(くりや)箪笥。新しい家族が座る椅子も容れ物であろう。親から子へ、子から孫へ、未来は確かな手応えでつながっていく。

[画像: 前田純一 「欅材厨子」 18×18×高さ27cm ]

スケジュール

2011年10月29日(土)〜2011年11月6日(日)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/278
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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