URANO小西真奈の描く潔いまでに体感的でのびやかな筆のストロークや独創的に捉えた色遣いの風景や人物像は、観るものからの距離を遠ざけ静寂であり現実ともいえない不確かな世界を創り出します。作家は制作過程として数あるスナップショットから抜き出した1枚を選び、モティーフや画面構成に使いますが、写真はあくまでも描きたいイメージを生み出すための出発点でしかありません。彼女の興味は写された風景や人物を写実的に描くことではなく、それらを使って独自のストーリーを盛り込ますことで虚構とも感じられる世界を絵画として実現していくことです。選ぶ写真は、その時点で完成された絵のイメージが明確に見えるものと反し、何の変哲もないものであり、描く過程において描きたいイメージを具現化していきます。完 成の見えない違和感を感じる写真を選びながら同時に新たなストーリーを想像し、筆を動かすことによってさらに作家の潜在的な心象世界を駆り立て描いていくことで、絵画として視覚化していくのです。
本展は、2009年に開催した個展「Portraits」に続く約3年ぶりの個展となり、自身の子息、Alexをモティーフとしたポートレイトを発表いたします。
[Image: 小西真奈 「Alex Sleeping (August, 2011)」(2011) Oil on canvas, h.41 × w.32 cm. Photo: Ikuhiro Watanabe]
まだコメントはありません