TABLOID〈コビケン〉をご存じですか? 東京藝術大学美術学部のカリキュラムにある、日本の優れた古美術を見るために関西で合宿・見学・研究する古美術研究旅行です。簡単にいえば、ちょっとプロっぽい修学旅行でしょうか。2 週間という長期間、来る日も来る日も仏像だの、障壁画だの(専攻によってプログラムは異なります)見せられ、 古美術漬けになり、特別な体験をし、美術を学ぶ、美術を仕事にしていくということを再認識するようです。僕の本業は雑誌の編集で、現代美術作家の人たちと話をする機会が多く、彼らに日本美術の話をすると「そ れ、コビケンで見た、行った」と言います。コビケン? なんかそれは楽しそうだなぁ。だれもがそれを真似して、日 本美術の優品を巡る旅をできたらいいなぁと思って、コビケン特集というのを今年、ブルータスで作りました。コビケンを懐かしく語ってくれる現代美術家に話を聞いたり、実際に旅をしてみました。彼らの古美術に関する知識や思い入れの芯のところにはコビケンがあるということがあらためてわかりました。そういう話ができたあとで、 彼らが創り出す作品をあらためて眺めてみたいと思いました。言うまでもなく、彼ら現代美術家の本業は作品を生み出すこと。今回のブルータスで、コビケンについて語ってくれた会田誠さん、山口晃さん、あらためてコビケン旅をしてくれた鴻池朋子さん、小谷元彦さん、それぞれの傑作が高橋コレクションに多く収蔵されています。 〈故きを温ねて新しきを創る。〉彼らはなにを見てきたか、誌面で語りました。さて、では、どんな作品を生み出したか。いつもは作品図版を集めて紙の上で編集している僕ですが、作品の実物と空間を使って編集し、「そして彼らは何を生み出したのか」を紹介する絶好の機会がこの展覧会です。
[画像:会田誠「美しい旗(戦争画RETURNS)」©AIDA Makoto Coutersy Mizuma Art Gallery Photo by MIYAJIMA Kei]
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