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バリー・コロンブル 展

POST / limArt
終了しました

アーティスト

バリー・コロンブル
1990年代にアメリカからオランダのアムステルダムに移住後、そこを拠点に制作活動を続けるBarry Korhbluh。彼はジャズメンたちやアーティストのポートレート、子供たちの姿や女性のヌード、 風景など多岐にわたる被写体を写しています。 彼の写真には質感の荒れ具合やブレが共通しており、荒れやブレといった表現はアメリカの写真家であるウィリアム・クラインやロバート・フランクといった作家にも共通する点ではあります。しかしBarryの写真がアメリカ的なものとは決定的に異なっている所があります。 それは、「時間」と「光」です。

一瞬を切り取るような鋭さのあるアメリカの写真家と異なり、Barryの写真を見ると写真が撮 影された前後に流れる時間が一緒に含まれているような感覚にとらわれます。 また、黒の強い表現で、時間が一緒に収められることで、写真に帯びてしまう重苦しさを 軽やかなものにしているのは、「光」に対する意識です。 女性が横たわるベッドのシーツを照らす光、窓から見える雪の反射、少年の背中を照らす光 や、階段の降り口に見える出口など、黒の強い表現の中に意識的に光が取り込まれています。 この光に対する意識が、重苦しくなってしまいかねない時間的なモノクロ表現に軽やかさを与 えています。

1950年代以降に活躍したオランダの写真家たち、Ed van der ElskenやJohan van der Keuken、Sanne Sannesなど、彼らが残した写真が他国の表現と異なりオランダ的であるゆえんは、「時間」と「光」を感じさせるからではないでしょうか。 そういった系譜で見ると、Barry Kornbluhの写真はまさにオランダ的写真であると言っても過言ではありません。彼がオランダに制作の地を移動したのは必然だったのでしょう。また、今回の展示は「恵比寿映像際」開催に伴い企画された地域連携プログラムに参加してお り、母体となる東京都写真美術館での展示テーマは「映像のフィジカル」です。「時間」を作品に内包し、質感の豊かな彼の写真はまさにこのテーマに沿った視覚芸術です。

50年代以降、様々な写真家に受け継がれて来たオランダの視点を、Barry Kornbluhの作品を通じ日本に紹介するのが本展覧会の目指すところです。

スケジュール

2012年2月10日(金)〜2012年3月4日(日)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日
入場料無料
会場POST / limArt
http://post-books.info/
住所〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F
アクセスJR山手線・埼京線・湘南新宿ライン恵比寿駅西口より徒歩6分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅5番出口より徒歩6分
電話番号03-3713-8670
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