終了した展覧会・イベントです

中平卓馬 「Documentary」

シュウゴアーツ
終了しました

アーティスト

中平卓馬
中平卓馬にとって、あるがままの世界をあるがままに捉えるということは大きな命題です。あるがままの世界とは、ある事物に対するイメージ(それが何であるかなど) を全く持たない白紙の状態でその物を凝視し、その果てでようやく事物が答える、そのことをもってその物が真の姿を現すのだと中平は考えました。写真を撮るということは”私”の知らない未知の世界が偶然にも発してくるサインを待ち構えることなのだと。

中平は度々、飲食店の看板や路上の立て看板をフレームいっぱいに撮影しています。看板とは「本体」を名指しする機能を持つ指示代名詞のようなものですが(「この店は〈友琉館〉です」、「この先に〈森山神社〉があります」など)、中平が写す時、看板はその関係性から切り離され、その形や記された文字の形だけが宙吊りにされ物質としての存在感だけがそこにあるように見えます。かつて中平は下記のように語りました。

“私の視線、それに向かって投げ返される事物の視線、その二つのものがせめぎ合う磁場こそ世界そのものであるのだから。”
中平卓馬映像論集”なぜ、植物図鑑か”(晶文社、1973年)より

中平の写真は、あるがままに見ようとしても自らに貼り付いた自我によって決してそうはできないと自覚する中で、それでも徒労ともいうべき毎日の撮影の集積に賭け世界を捉えようとする、その行為に立ち現われるかすかな希望なのではないでしょうか。

展覧会では2004年から2010年までの間に撮影された作品の中から作家が選んだ20数点を展示いたします。

スケジュール

2011年1月8日(土)〜2011年2月5日(土)

開館情報

時間
11:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
備考
休廊/日・月曜日、祝日
入場料無料
会場シュウゴアーツ
http://www.shugoarts.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
アクセス東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1b出口より徒歩2分、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅7番出口より徒歩8分、東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩11分
電話番号03-6447-2234
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