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佐藤亮 「風の帰る道」

セイコーハウス銀座ホール
終了しました

アーティスト

佐藤亮
静かに移ろいゆく季節、水面を吹きわたる風、鳴き騒ぐ鳥の気配──つい見過ごされがちな“小さな間(あわい)の風景”にやさしい眼差しを向け、作品に表現する陶芸家・佐藤 亮氏。和光・アートサロンなどでの展覧会を重ね、和光では11回目となる個展をこのたび開催する。

佐藤氏が東京の出版社を辞め、友人の後を追うように陶芸の道に進んだのは30歳目前の年。漆芸家・寺井直次氏の助言もあり、弟子入りすることなく、工房の熟練職人や同年代の作家仲間に学びながら、自分なりのスタイルを模索し続けてきた。好きだった絵が生かせると選んだ九谷焼の世界で、氏が取り組んだのは、磁器では珍しい手捻りの技法。素地作りから絵付けまでを一人でこなし、九谷の伝統にはない技法と道具を積極的に用いた。和紙型紙の上から刷毛と金網を用いて文様を浮かびあがらせる技法や、竹べらを押さえつけて引く点描などが、土もののような風合の器胎と融け合い、素朴な妙味を生みだしている。

出品作の鉢「初夏(はつなつ)」は、同じ郷里の歌人・會津八一の歌から想を得たもの。氏特有の墨彩のような淡い色調で、葦原に群れる鳥が愛らしく描かれ、型抜きの鷺草の文様が律動を生み、誰もが持っている記憶、懐かしい心象風景がさり気なく表現されている。「足元の草むらから広がる〈小宇宙〉を表現するために、具象と文様の間でいつも格闘しています」と微笑む佐藤氏。

本展では、壺、鉢、陶額、香炉や盒子の蓋物など、100余点が出品される。時代が大きく揺れ動く中で、「作品を介して、通り過ぎていく大切な瞬間をつかまえ、小さな希望につなげていければ」という氏の一途な思いがそこには託されている。

[画像: 佐藤亮 「初夏」 鉢 径28×高さ23cm]

スケジュール

2011年7月1日(金)〜2011年7月7日(木)

開館情報

時間
11:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://www.wako.co.jp/exhibitions/269
会場セイコーハウス銀座ホール
https://www.wako.co.jp/exhibitions/
住所〒104-8105 東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6F
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B1出口直結、東京メトロ有楽町線銀座一丁目8番出口より徒歩4分
電話番号03-3562-2111
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