女子美ガレリア二ケシルクスクリーン作家、天野純治と鎌谷伸一による2人展。
もともと商業用に使われていたシルクスクリーンが芸術作品として本格的にアート・シーンに登場するのは、1957年イギリスでシルクスクリーン専門工房であるケルプラ・スタジオが設立されポップアート作家たちの作品が制作されたのを皮切りに、1962年アメリカでアンディー・ウォーホルが肖像写真をもとにモンローやプレスリーなどのアイドルの姿をキャンバスにシルクスクリーンで刷った作品を発表し注目を集めて以降のこと。1970年代に美術大学に在籍していた天野純治、鎌谷伸一はこれに着目し、現在までその技法、精神ともに研鑽を重ねてきた作家である。
天野純治は国内外で高い評価を受け活躍中の作家であり、かつ関東圏の多くの美術大学にて教鞭をふるっている。平面の物質性を追究する作品で定評のあり、常に真摯に、平面と絵画表現の臨界に取り組み続けている。その表現は版画にとどまらず、近年ではシルクスクリーンの版を用いてモデリング・ペーストで地を作ったアルシュ紙にアクリルや顔料の層を重ねる版技法による“色彩の物質化”とのような絵画作品も多く制作している。
鎌谷伸一は藝大時代に同級であった柴田敏雄、辰野登恵子たちとともにシルクスクリーンの教室を作り、自らの手で試行錯誤しながらその技術を身につけた。写真製版によるシルクスクリーンが主流であったにもかかわらず、手描きによるブロッキング法により独特の緊張感のある画面を表現し、《Pine Tree》シリーズに代表される作品を世に送り出した。また、優れた教育者でもあり、99年に病を得てからも愛弟子・滝口志保とともに女子美術大学にて多くの作家を育てた。09年10月25日に61才という若さで亡くなったことが本当に惜しまれる。
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