終了した展覧会・イベントです

阪本トクロウ 「遠景」

アートフロントギャラリー
終了しました

アーティスト

阪本トクロウ
日本画出身のアーティストの中でも阪本の作風は異色である。日本画出身の多くの作家が日本画特有の素材を使うのに対し、阪本はアクリル絵の具を使ってきた。また、日本画として見慣れた風景や花鳥風月ではなく私たちの身の回りの日常、しかも電線、近代住宅、高速道路、遊園地など一般的にはあまり絵に描かれないほどありきたりの日常の風景を好んでモチーフとしている。

もちろん西洋絵画が日本に輸入されることでそれと区別するために初めて日本画というジャンルを成立させただけであって、本来同じ絵画というジャンルであることに両者の違いはなく、日本人以外の人に日本画というジャンルについて説明するのが困難なように、特に阪本を現代の日本画として紹介する必要もないのかもしれない。

それでも阪本の作品が日本画的であると感じるのはこの作家の描く構図によるところが大きい。広がる遠景の手前に画面を横切るようにして木の枝が伸びていたり、人気のない静かな情景の中にダイナミックに物が配置される。こうした遠景と近景のバランスは作家自身が言うように広重など江戸期の作家の仕事を下敷きにしており、世俗の日常を描くという点も江戸の絵師たちと共通しているのである。一方で阪本の作品が極めて現代的であると感じるのは親しみのある現代の風景を描きながらも、それに寄りかかることもなく冷徹に時代を見つめているような視点を持っているからであろう。

阪本の作品のもうひとつの重要な要素は人物が描かれないことであろうか。それでもどこかに人の存在を感じるのはむしろその風景を見ているであろう「誰か」の存在なのかもしれない。近年の夜景シリーズなど次第に細部に目が行っていた作品群に対して今回は「遠景」をテーマに作品を展開するとともに、新たにこれまで日々手がけてきたドローイングを多数展示する予定である。

[画像: 阪本トクロウ「呼吸」(2012) アクリル絵具、麻紙 910x910mm]

スケジュール

2012年6月1日(金)〜2012年6月17日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
土曜日・日曜日・祝日は11:00〜17:00
休館日
月曜日、火曜日
夏期・年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttp://artfrontgallery.com/exhibition/archive/2012_06/879.html
会場アートフロントギャラリー
http://www.artfrontgallery.com/
住所〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスA棟
アクセス東急東横線代官山駅より徒歩3分、JR山手線・埼京線恵比寿駅西口より徒歩11分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅4番出口より徒歩8分
電話番号03-3476-4869
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します