三井記念美術館アジア美術の所蔵で世界的に知られるホノルル美術館には、約10,000点もの浮世絵版画が収蔵されており、そのクオリティの高さには定評があります。コレクションの中核をなすのは、ミュージカル「南太平洋」の作者、ジェームス・A・ミッチェナー氏の寄贈による約5,400点で、我が国では歌川広重の名品を中心とした里帰り展が幾度か開催されています。
しかし、幕末の浮世絵界にあって広重と双璧をなす偉大な浮世絵師、飾北斎の作品が、ここホノルルの地にまとまっていることはあまり知られていません。しかもそれらの作品群は、世界有数の優れた収蔵内容を誇っていたのです。
北斎は、2010年に生誕250年を迎えました。その記念事業の一環として、このたびホノルル美術館が所蔵する北斎の逸品を網羅した初めての「北斎展」を開催する運びとなりました。
本展は、北斎の魅力を160余点であますところなく体験する一大展覧会であり、大きく二つのセクションから構成されます。はじめに、北斎を代表する「冨嶽三十六景」、「諸国名橋奇覧」、「諸国瀧廻り」、「琉球八景」、「詩哥写真鏡」、「百人一首うばがゑとき」の6種の揃物を紹介してゆきます。次々と連続して湧き出る北斎のイマジネーションの泉は、尽きるところを知りません。そして、デビュー当時の春朗時代の作品から、最晩年の89歳の作品「地方測量之図」までの70年近くにおよぶ画業を概観するコーナーへと続きます。
[画像: 「冨嶽三十六景 凱風快晴」(1830-1832) Gift of James A. Michener, 1970]
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